歯科でのボトックスとは?
歯科でのボトックス(ボツリヌス)治療とは?
ボトックスやボツリヌスなどどちらの文言もよく見ると思いますが、わかりやすく説明すると、ボトックスはボツリヌストキシンと呼ばれる複合毒素からボトックスと呼ばれる毒素を抽出したあと毒素を取り除かれて抽出された成分(タンパク質の一種)です。
わかりやすくボトックスという成分を説明!
歯科にボトックス?と思われる方も多いと思いますが、皆さんがよく知っているシワ取り以外にも、筋肉を緩める状態にする作用があります。
歯科では歯ぎしりや食いしばり治療に用いられます。詳しい効果については、後ほど説明します。
歯科でのボトックスで得られる効果
ボトックスは弛緩作用や筋肉の動きを抑制する働きがあります。その働きを利用して、下記のような効果が得られます。
- 歯ぎしり・食いしばりの緩和
- 顎関節症の緩和
- ガミースマイルの改善
- 咬筋の発達により
- 食いしばることで起こる、頭痛や肩こりの緩和
- 歯ぎしりが原因で進行する歯周病の治療
- 口元の梅干しシワの改善
上記のような効果を得ることができます。当院では歯ぎしり・食いしばりでお悩みの方が多く来院されます。歯ぎしり食いしばりは、歯周病を進行させる因子にもなりますので、ボトックス治療で改善させることは、口腔内の状態を健全に保つための一つの手段になり得る治療法です。
ボトックスの効果の持続期間
ボトックスの効果には個人差がありますが、3ヶ月から6ヶ月を目安としています。1度打ったからといって、効果が永続的に続くわけではありませんので、歯ぎしり・食いしばり(噛み締め)などがなくなってきたと実感できるまでは、定期的にボトックス注射をすることをお勧めします。
ボトックスと認知行動療法の並用治療
当院では、ボトックスと認知行動療法の併用治療を行います。
今までは認知行動療法と呼ばれる、意識的に行動を改善する(食いしばっているなと気付いたらすぐやめるなど)方法が主流でしたが、改善する方と改善しない方のバラつきが多かったため、当院ではボトックスを行い、意図的に歯ぎしり・食いしばり(噛み締め)を食い止めながら、認知行動療法で行動しようとしている自分を抑制することで、改善するという治療法を選択しています。
歯ぎしりや食いしばりは、ストレスなどが原因の「悪習慣」です。潜在的な意識を改善しない限り、ボトックスやマウスピースに頼っていかなければならなくなります。ボトックスと認知行動療法の並用で、「歯ぎしり・食いしばりをしない」ようにしていくのが治療の本質となります。