口腔外科認定医による親知らずの抜歯
大学病院レベルの親知らず抜歯を一般歯科医院で
親知らずの抜歯は、歯科治療の中でも外科的な専門知識と技術が求められる処置です。
特に顎の骨の中に横向きや斜めに埋まっている親知らず(埋伏智歯=まいふくちし)は抜歯の難易度が高く、一般の歯科医院では対応が難しいとして大学病院の口腔外科に紹介されるケースも少なくありません。
口腔外科認定医の資格を持つ
院長が抜歯を担当
当院の院長は日本口腔外科学会の認定医です。
大学卒業後、東京医科大学病院の歯科・口腔外科学教室に入局し、大学病院および関連病院の口腔外科において多くの症例を経験してきました。
口腔外科認定医は、口腔外科に関する十分な知識と経験を有すると学会が認めた歯科医師にのみ付与される資格のため、難しい親知らずの抜歯などの難症例でも十二分に対応可能です。
親知らずでお困りの方は当院にお任せください。
難症例にも対応できる診断・処置体制
当院では、一般的な親知らずの抜歯から顎の骨の深い位置に埋まった難症例まで幅広く対応しています。
抜歯前には必要に応じて、CT(コンピュータ断層撮影)で歯の形態・埋まっている深さ・下歯槽神経(かしそうしんけい=下顎を走る太い神経)との位置関係を三次元的に把握し、安全かつ的確な処置計画を立てたうえで抜歯に臨みます。
通常のレントゲンでは平面的な情報しか得られませんが、CTを用いることで立体的(3次元的)な構造を確認でき、必要最小限の骨削除で処置を行えるため、手術時間の短縮と術後の負担軽減につながります。
「大学病院を紹介されたが、通院の負担が大きい」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
親知らずが問題を
引き起こしやすい理由
親知らず(第三大臼歯)は、通常17〜25歳頃に生えてくる上下左右の最も奥の歯です。
上下左右に1本ずつ、最大4本ありますが、生まれつき一部または全部が存在しない方もいます。
現代人の顎には親知らずが生える
スペースが不足している
現代人の顎は食生活の変化(軟らかい食べ物の増加)などにより小さくなる傾向があり、親知らずが正常に生えるスペースが確保されないケースが多くなっています。
そのため、親知らずは他の永久歯のように真っ直ぐ生えてくること自体が少なく、横向きや斜め向きに傾いた状態で歯茎の中に留まることがほとんどです。
完全に歯茎の中に埋まったままの場合もあれば、一部だけが歯茎から出た「半埋伏(はんまいふく)」の状態になることもあります。
いずれの場合も上下でしっかり噛み合えないため、本来の歯としての機能を果たせないだけでなく、周囲にさまざまなトラブルを引き起こす原因となります。
智歯周囲炎 ― 繰り返す腫れと痛みの原因
斜めや横向きの親知らずの周囲では、歯茎が部分的にかぶさった状態が続きます。この歯茎と歯の隙間に細菌や食べかすがたまると、歯茎に炎症が発生します。
これを「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」といい、腫れ・痛み・口臭の原因となります。
智歯周囲炎は一度治まっても、疲労や免疫力の低下をきっかけに繰り返し発症する傾向があります。
重症化すると口が開きにくくなったり、顎の下やのどの奥にまで炎症が広がって飲み込みが困難になったり、発熱を伴うこともあります。特に下顎の親知らずは周囲の組織に炎症が波及しやすく、注意が必要です。
隣の第二大臼歯に虫歯・歯周病を
発生させるリスク
親知らずが斜めに傾いて手前の歯に接触していると、その接触面に汚れがたまりやすく歯ブラシも届きにくいため、手前の第二大臼歯に虫歯や歯周病が発生するリスクが高まります。
第二大臼歯は噛み合わせにおいて重要な歯であり、この歯を虫歯で失うと咀嚼(そしゃく)機能に大きな影響が出ます。
さらに、この部位の虫歯は位置が深いため発見が遅れやすく、治療器具も届きにくいため難易度が上がります。
親知らず自体には症状がなくても、隣の歯を守るために抜歯が勧められるのはこうした理由からです。
親知らずによる歯並びへの影響
横向きに埋まった親知らずが手前の歯を持続的に押し続けることで、歯列全体に力が伝わり、前歯の歯並びが乱れる原因になることがあります。
矯正治療後に親知らずの圧力で後戻りが生じるケースもあるため、矯正を検討されている方は親知らずの状態も合わせて確認しておくことが大切です。
抜いたほうがよい場合と
残せる場合の判断基準
親知らずは必ずしもすべて抜歯が必要というわけではありません。
「親知らず=抜くもの」というイメージを持つ方は多いですが、正常に機能している親知らずや、周囲に悪影響を与えていない親知らずは残しておくことも可能です。
親知らずの抜歯が推奨されるケース
以下のような状態が確認された場合は、周囲の歯や組織への悪影響を防ぐために抜歯が推奨されます。
- 横向き・斜め向きに埋まっており、周囲の歯や歯茎に悪影響を与えている、または将来的にその可能性が
高い - 智歯周囲炎を繰り返し発症している
- 手前の第二大臼歯との間に虫歯や深い歯周ポケットが形成されている
- 親知らずの周囲に嚢胞(のうほう=膿や液体がたまった袋状の病変)が確認された
- 歯並びに影響を与えている、または矯正治療を予定
している
嚢胞(のうほう、膿がたまった袋状の病変のこと)は自覚症状がないまま拡大することがあり、レントゲンやCT検査で偶然発見されるケースも少なくありません。
放置すると周囲の骨を吸収し、隣の歯の根や神経に影響を及ぼす可能性があるため、早めの対応が重要です。
親知らずの抜歯をしなくてもよい
ケース
一方で、以下のような場合は抜歯の必要がないと判断されることもあります。
- 上下とも真っ直ぐに生え、噛み合わせが正常に機能しており、清掃も十分に行えている
- 完全に顎の骨の中に埋まっており、周囲の歯や組織に影響を与えていない
- 将来的に移植歯(他の歯を失った際の代替)やブリッジの支台歯として活用できる可能性がある
真っ直ぐ生えて正常に噛み合っている親知らずは、しっかり歯磨きができている限り他の歯と同様に機能します。
こうした親知らずは、将来ほかの奥歯を失った際に「移植歯」として活用できる可能性があるため、保存しておく価値があります。
ただし、現時点では問題がなくても、加齢に伴い周囲の骨や歯茎の状態が変化してリスクが高まることがあります。
定期検診でレントゲンを撮影し、親知らずの状態を継続的に確認していくことが大切です。
親知らずの抜歯は若いうちに
行うほうが回復が早い
親知らずのトラブルは20代頃から増え始めます。「今は症状がないから」と先延ばしにすると、年齢を重ねてから問題が生じた際に身体への負担が大きくなることがあります。
年齢が若いほど骨が柔らかく、
処置時間が短くなる
若い方は顎の骨に柔軟性があり、歯の根も完成しきっていない場合があるため、抜歯時に歯が動かしやすく処置時間が短くなる傾向があります。術後の回復力も高いため、腫れや痛みの期間が短く傷の治りも早くなります。
反対に、30代・40代以降は骨が硬くなり、歯の根と骨が癒着(ゆちゃく=くっついて離れにくくなること)しているケースも増えるため、抜歯の難易度が上がります。
加えて、年齢が上がるにつれて全身疾患(高血圧や糖尿病など)の影響で抜歯時のリスクが高まることもあります。 こうした点を考えると、問題のある親知らずは症状が軽いうちに対処しておくことが望ましいといえます。
女性は妊娠前の抜歯が推奨される
女性の場合、妊娠中はホルモンバランスの変化やつわりによる口腔内環境の悪化から、智歯周囲炎が起きやすくなります。
しかし妊娠中は使用できる薬剤やレントゲン撮影に制限があり、外科処置にも慎重な対応が求められるため、治療の選択肢が大きく限られます。
痛みや腫れが続いても十分な治療が受けられない状況は、母体にとって大きな負担です。
将来妊娠を希望される方は、症状がないうちに親知らずの状態を確認し、必要に応じて抜歯を済ませておくことをおすすめします。
よくある質問
Q. 親知らずの抜歯はどのくらい
痛いですか?
A. 抜歯は麻酔下で行うため、処置中に痛みを感じることは通常ありません。
術後は麻酔が切れた後に痛みや腫れが出ることがありますが、鎮痛剤と抗菌剤を処方いたしますので、指示通りに服用していただければ日常生活に大きな支障が出ることは少ないです。
痛みのピークは術後1〜2日目で、1〜2週間ほどで落ち着いていきます。
Q. 抜歯後の腫れはどのくらい
続きますか?
A. 腫れの程度は抜歯の難易度や個人差によって異なりますが、一般的には術後2〜3日目がピークで、その後徐々に引いていきます。
下顎の横向きに埋まった親知らずの場合は1週間程度続くこともあります。腫れている間は患部をぬれタオルなどで軽く冷やすと和らぎます。
Q. 上の親知らずと下の親知らずで
難易度は違いますか?
A. 一般的に上顎の親知らずのほうが抜きやすい傾向にあります。上顎は骨が下顎に比べて柔らかく、歯の根の形状も単純なケースが多いためです。
一方、下顎の親知らずは骨が硬く、横向きに深く埋まっていることが多いため、歯茎の切開や歯の分割が必要になるケースが増えます。
また、下顎には下歯槽神経という太い神経が走っているため、当院ではCT撮影で神経との位置関係を事前に確認したうえで安全に処置を行います。
Q. 親知らずの抜歯にかかる時間は
どのくらいですか?
A. 真っ直ぐ生えている親知らずであれば数分で抜けることもあります。
一方、横向きに深く埋まっている場合は歯茎の切開、骨の一部削除、歯の分割といった手順が必要になり、40〜60分程度かかることがあります。
Q. 親知らずが痛いのですが、すぐに
抜歯できますか?
A. 炎症が強い状態での抜歯は、麻酔が効きにくく、術後の痛みや腫れも強くなる傾向があります。
そのため、まずは抗菌剤の投与や患部の洗浄で炎症を落ち着かせてから、改めて抜歯を行うのが原則です。
痛みがある場合はまずご来院ください。状態を確認したうえで最適な治療計画をご提案いたします。


























