歯茎からの出血はやばい!?
歯周病
強すぎるブラッシング
熱心に歯磨きを頑張る方に多いのが、過度なブラッシング圧による出血です。強すぎる力で歯茎を擦ったり、サイズの合わない歯間ブラシを無理に使用したりすることで出血が起こります。
薬の副作用
特定の降圧薬や免疫抑制薬で歯茎が増殖し、そこから炎症が起きて出血することがあります。また、血をサラサラにする抗凝固薬などは少しの傷でも出血が起き、止まりにくいことから服用薬が原因となるケースも珍しくありません。
ホルモンの乱れ
特に妊娠期はホルモンバランスの変化により、歯茎の炎症及び出血が起こりやすい状態です。一般的には、出産後にホルモンバランスが回復すると症状は軽減します。
出血がある時の対処法
プラークを停滞させない
出血があるからといって歯ブラシを当てないでいると、蓄積したプラークによって炎症は悪化してしまいます。痛みがある場合には優しく歯ブラシを当てて、プラークをしっかり除去しましょう。
セルフケアを改善する
低刺激の歯磨き粉や洗口液を選ぶ
歯茎の出血が見られるときは、低刺激の洗口液(ノンアルコール)や歯磨き粉(低研磨・低発砲)を選びましょう。また、歯茎の炎症を抑制させる効果のある、薬用成分が配合されたものを使用するのも有効です。
歯周病をそのまま放置するリスク
歯周病を放置するリスクとして最も有名なものは、「歯が抜ける」ではないでしょうか?
しかし、これは氷山の一角であり、この他にも全身に関わる様々なリスクが存在します。
例えば、歯周病によって増殖した細菌を誤嚥して起こる「誤嚥性肺炎」や、歯周病により分泌される物質による「早産・低体重児出産」、血管に流れた歯周病菌や内毒素が血栓を作ることで発症する「狭心症・心筋梗塞」など、全身疾患に繋がる様々なリスクがあるとされています。
歯の喪失はもちろん、上記のような歯周病による全身疾患を予防するためにも、歯茎の出血など歯周病の兆候が見られる場合には、決してそのままにせず歯科医院を受診、治療をすることが重要です。
歯周病になりやすい生活習慣とは
歯周病は生活習慣病としても位置付けられており、生活習慣によってリスクが向上することが明らかになっています。
乱れた食生活
栄養バランスが乱れた食事は免疫力の低下を招き、歯周病になりやすくなります。また、飲食回数が多い食生活は口腔内の細菌が増殖しやすく、歯周病だけでなく虫歯のリスクも大幅に上昇します。
過度な飲酒・喫煙習慣
過度な飲酒は肝障害から免疫力の低下や、寝落ちなどによる歯磨き不良を招くことがあるため、摂取基準を超える飲酒習慣は歯周病のリスクになります。
また、喫煙は血流障害を起こすことで歯周病になりやすく、かつ悪化もしやすくなる非常にリスクの高い生活習慣です。2倍~9倍のリスクとされています。
運動不足
近年では、運動不足による肥満は歯周病が進みやすいこと、脂肪組織で作られる物質が歯周病を発症、進行させやすいことが報告されています。
ストレスや睡眠不足
ストレスや睡眠不足は免疫力を低下させ、風邪などの感染症だけでなく、活発になった歯周病菌によって歯周病発症のリスクが上昇してしまいます。
歯周病を治すために大切なことは?
適切なセルフケア
歯周病の治療において最も重要なことは、日々の歯磨きを正しく行うことです。そのため、専門家である歯科衛生士がお一人おひとりに合ったセルフケアを提案し、アドバイスする「歯磨き指導」が必要不可欠となります。
セルフケアができていない場合には、歯周病治療の効果は見込めないといっても過言ではありません。
歯周病治療の継続
歯周病治療では、主にプラークや歯石を除去する「スケーリング」や、歯周ポケット内部を清掃する「SRP」、歯石や不良肉芽を徹底的に除去する「フラップ手術」などを行います。
歯周病治療は長期になることが多く、継続的な通院が必要になります。途中で治療を中断すると歯周病が悪化してしまうため、必ず治療終了まで通院するようにしましょう。
また、再発予防のためにも、治療後は定期検診の受診が望ましいです。
生活習慣の改善
喫煙や極端な食生活など、歯周病になりやすい生活習慣は治療の妨げになってしまいます。私生活に大きな影響が出ない範囲で、できる限り生活習慣を改善するように心がけましょう。