舌のケア〜マスク生活で舌苔がつきやすくなる?

マスクを着用すると、口の動きが制限され、口を動かす機会が減ります。これにより、唾液分泌の減少が起こる可能性があります。さらに、水分をとる回数が減る、呼吸が浅くなり口呼吸になるなど、口腔内が乾燥しやすく自浄作用が低下すると考えられます。そのため、マスクの着用を長時間続けると、プラークや舌苔が口腔内に付着しやすくなり、さまざまな口腔トラブルの原因となります。
舌苔とは、剥離した上皮細胞や糸状乳頭の角化物、食物残渣、細菌、真菌、死菌、血球成分、色素などが、乳頭の間に溜まったものです。
舌苔に含まれる微生物に関しては、口腔や全身の健康状態と相互に影響し合うと考えられています。口臭や歯周病の程度によって舌苔の細菌構成が変化することは多くの研究で報告されています。また、糖尿病患者の舌苔では、ある特定の細菌の割合が高いことが報告されています。健康なひとの場合は、舌苔の色と細菌構成との間に違いは見られないと言われていますが、一方で、健康な人でも、喫煙者の舌苔では非喫煙者の舌苔に比べて、口臭や歯周病に関連する細菌が多く見られるなど、生活習慣も舌苔の細菌構成に影響を与えます。
また、舌苔は唾液分泌の減少によって付きやすくなります。唾液分泌の減少を招く代表的な疾患には、シェーグレン症候群、唾液腺障害、肝硬変、糖尿病などがあり、抗精神薬や降圧剤などの服用薬剤の副作用によっても唾液分泌が起こります。また、加齢やホルモンバランスの変化、緊張状態やストレスによっても唾液分泌は減少し、舌苔の付着に影響すると考えられます。さらに、唾液流量が正常でも、睡眠時無呼吸症候群や鼻疾患などで口呼吸になると、舌苔が付きやすくなります。
唾液分泌の減少以外にも、口腔清掃不良、歯周病、義歯装着、停滞性食品の摂取、喫煙習慣などが、歯科臨床で確認できる舌苔が蓄積しやすい要因として挙げられます。
その他、抗菌薬の長期服用や副腎皮質ホルモン剤により口腔内の常在菌のバランスが崩れると、糸状乳頭の角化が著しく亢進することによって黒褐色の舌苔(黒毛舌)が生じることがあります。黒毛舌は服薬を中止し、口腔清掃に努めることにより次第に元に戻ります。
舌苔が付きやすい場所は、舌の中央からおくの方にかけて付きやすいです。
舌の後方は、唾液による自浄作用が行き届かず、また、舌の運動時に歯や口蓋に触れないなどなどの理由から舌苔が付きやすいです。とくに、分界溝に近い部分は舌苔の好発部位です。反対に摩擦運動が強く起こる舌尖や舌縁は舌苔がつきにくくなります。見た目を気にして、舌尖ばかり目が行きがちですが、舌ケアにおいて見るべき場所はもっと奥です。
舌のケアに使用する清掃具にはいろいろな種類があります。
清掃具の形状には、ヘラタイプ、ブラシタイプ、マイクロファイバータイプなどがあります。ヘラタイプとブラシタイプが合体した製品もあります。また、清掃具の素材には、プラスチック、エラストマー樹脂、ナイロン繊維、金属などがあります。
清掃具の使い方は、力を抜いて舌をなるべく前に出し、ついで清掃部を舌の後方部にあて、後ろから手前に優しく引くように数回動かします。この時、分界溝を超えた奥まで清掃することは推奨されません。とくに舌扁桃を傷つけるようなことがないように、気をつける必要があります。
「歯ブラシで舌清掃をしてはいけませんか?」と聞かれることもあります。歯ブラシと舌ブラシの舌苔除去効果は変わらないという研究報告もありますが、歯ブラシは歯を磨くのに適した硬さで設計されていますので、舌のケアで使用する場合は力の入れ加減に工夫が必要です。
また、歯ブラシのヘッドの高さがあるので、奥に届かないことがあります。舌粘膜を傷つけずに、かつ清掃効率がたかくなるよう工夫された舌ケアの清掃具をお勧めします。
舌苔の付着は、摂取する食べ物によって影響を受けると考えられています。1日あたりのコーヒー、水、チューイングガム、軟らかい食べ物、舌触りの粗い食べ物の摂取状況を調査した研究では、軟らかい食べ物の摂取と舌苔付着量との間に正の相関がありました。
健康ボランティアを「高繊維+高咀嚼食」と「低繊維+低咀の食」の2グループに分け、食後に口臭と舌苔を比較した研究では、高繊維+高咀幅食グループで、有意差はないけれども舌苔付着量が少なかったと報告されています。要介護高齢者を対象に舌苔の関連因子を調べた研究”では、ゼリー食より、粘着性の高いソフト食や食塊を作るまでに時間を要するきざみ食で舌苔の付着が多くみられています。
舌ケアには、研磨剤や発泡剤が入っている歯磨きペーストの使用は舌のケアでは推奨されません。研磨剤は舌粘膜を機械的に傷つけ、発泡剤は幅吐反射を引き起こす可能性があります。一方、舌ケア用ジェルやロ腔ケア用ジェルは研磨剤や発泡剤が入っていないので、舌のケアにも使用できます。ジェルには、汚れを柔らかくして浮かせてくれる効果が期待されています。実際に、要介護高齢者の舌苔除去に使用した研究”では、2週間で舌苔付着量が有意に減少し、舌の水分量が有意に増加したと報告されています。
東洋医学で「舌は内臓の鏡」と言われるように、舌には体内の変化が表れやすいのが特徴です。まずは、ブラッシングの際に舌を観察する習慣をつけましょう。

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